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全米初! アメリカ大統領選挙2020でトランスジェンダー公言の議員が誕生

トランスジェンダーを公言する少なくとも5名の州議会議員が勝利宣言を発表。

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アメリカ大統領選挙、2020年、トランスジェンダー、当選
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待望の米大統領選挙の結果をはじめ、他にも多くの選挙結果がまだ出ていないが、少なくとも5人のトランスジェンダーが初当選し、政治の歴史に名を刻んだことが明らかに。米国でLGBTQを公表する議員を増やすために活動している団体「LGBTQ Victory Fund」によると、現在州議会で議員を務めているトランスジェンダーの数は1桁台であるため、現地時間11月3日の勝利は特別なものとなっている。しかし、テキサス州のマデリン・イーデンやニューハンプシャー州のジェリ・キャノンなど、他にも数人のトランスジェンダー候補者たちが立候補していることから、LGBTQの政治的地位をさらに高めることができるかもしれない。また「LGBTQ Victory Fund」によると、結果次第ではトランスジェンダーの州議会議員の数は2倍以上になる可能性があるという。ここでは、2020年の選挙における画期的な勝利を速報でご紹介。

Translation: Masayo Fukaya From Harper's BAZAAR

サラ・マクブライド

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LGBTQで人権活動家のサラ・マクブライドは、民主党の候補として出馬していたデラウェア州上院選挙で当選。トランスジェンダーを公表する初の州上院議員が誕生したと同時に、マクブライドは全米最高位のトランスジェンダー議員となった。マクブライドは報道機関がデラウェア州機会選挙について報道した後に、「今夜の選挙結果は、LGBTQの子どもたちに対し、米国の民主主義には彼らを受け入れる器があることを示すことができたと思います」「デラウェア州では新型コロナウイルスとの闘いが続いていますが、今こそ働く家族のために変化をもたらす政策に取り組んでいくべきです」とツイート。

『New York Times』によると、彼女は初のトランスジェンダーのインターンとしてオバマ政権下のホワイトハウスで働いた経験を持つ。さらに、2016年には民主党全国大会に登壇し、トランスジェンダーを公表する人物としては初めて主要政党の党大会で演説をした。共和党のスティーブ・ワシントンを破ったマクブライドは、デラウェア州第1選挙区の代表となる。

以前は、米国最大のLGBTQ人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(Human Rights Campaign)」で広報官を務めていた。同団体は、「トランスジェンダーを公表する全米初の上院議員、そしてデラウェア州議会初のトランスジェンダー議員となったサラ・マクブライドにお祝いを申し上げます。この歴史的な勝利を誇りに思います」とツイートし、彼女の当選を祝福した。

テイラー・スモール

26歳のテイラーはバーモント州のプライド・センター(Pride Center)で「ヘルス&ウェルネス」プログラムのディレクターを務めている。同センターのウェブサイトに掲載された彼女の経歴によると、「コミュニティの構築と若者のエンパワーメントに尽力」し、「バーモント州のより大きなLGBTQ+コミュニティを支援するための明確な情熱と意欲」を持つ人物なのだそう。

彼女は2016年にバーモント大学で人間発達・家族学と、ジェンダーアイデンティティ・セクシュアリティ学を専攻し、学士号を取得。バーモント州でLGBTQの認知度向上のためのプロググラムを企画してきたことに加え、ニッキ・シャンパンというドラァグクイーンとしての顔も持つ。スモールは“ニッキ・シャンパン”として、バーモント州の図書館でドラァグクイーンが子どもたちに読み聞かせをする「ドラァグクイーン・ストーリー・アワー(Drag Queen Story Hour)」に参加し、「LGBTQのための安全な空間」を生み出している。

スモールは『Them』誌に対し、「バーモント州はとても田舎なので、都心から離れたバーリントン地域に住むLGBTQにとって、私たちの生き方をさらけ出せる安全な空間を見つけたり、地域社会に溶け込んだりするための場所を見つけることは難しいということです。また、驚くべきことに、バーモント州にはLGBTQのためのバーがまだ1軒もありません」と語っている。

ステファニー・バイヤーズ

5人のトランスジェンダーが初当選! 2020年米大統領選で歴史をつくった女性たち  
Dia Dipasupil//Getty Images

元公立学校の教師でチカソー族の血を引くステファニー・バイヤーズは、共和党の対抗馬であるシンディ・ハワートンに勝利し、カンザス州で初めて選出されたLGBTQの議員となった。

現在57歳のバイヤーズは「Wichita Eagle」に対し、「共和党支持が多数を占めるカンザス州が州議会議員にトランスジェンダーの人を選ぶことができれば、他の多くの場所でも門戸が開かれるでしょう」「そしてトランスジェンダーの人々が、自分たちは大切で重要な人々であり、社会で成功するに値する人々であると考える後押しにもなります」と語った。

CNNによるとバイヤーズは、約30年間続けてきた教師としての職を離れ、2019年に州議会への出馬を決意した。2018年にはLGBTQの生徒に対する差別、いじめ、嫌がらせをなくすことを目的とした団体「GLSEN」の 「ナショナル・エデュケーター・オブ・ザ・イヤー」 に選ばれた。バイヤーズと彼女の妻ローリ・ハースは、ジェンダーのアイデンティティを教育するダイバーシティ・コンサルティング会社「Gender.Training 」を運営している。

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ブリアンナ・タイトン

コロラド州初のトランスジェンダー議員であるブリアンナ・タイトン下院議員は、州の下院で再選される見通しだ。

ニューヨーク州のハドソン・バレーで育ったタイトンは、ボランティアの消防士、ウェブアプリの開発者、臨時教師など、さまざまな職業に従事してきた。しかし、彼女のウェブサイトによると、地質学者としてのキャリアがきっかけでコロラド州に移住してきたという。タイトンは2016年にジェファーソン郡のLGBTQ+党員集会に参加し、その後、書記と会計を務めることで政界に進出した。

翌年、彼女はコロラド州下院選への出馬を表明し、2018年には共和党の議席を僅差で覆した。しかし、彼女の成功への道のりは決して平坦なものではなかった。『Colorado Public Radio』によると、タイトンはトランスジェンダーを理由に日常的に嫌がらせを受けており、彼女の再選キャンペーン中には反LGBTQキャンペーン広告の標的となった。

気候変動対策、教育機会、LGBTQ+の権利を擁護するプラットフォームを運営しているタイトンは最近、「2018年には誰も私が勝つとは思っていなかったので、私は彼らの脅威ではありませんでした」「そのため、攻撃はなかったのです」と『Colorado Public Radio』に語っている。それでもタイトンは勝利を収め、選挙後に自身とチームメンバーの写真をツイッターで公開した。

リサ・バンカー

5人のトランスジェンダーが初当選! 2020年米大統領選で歴史をつくった女性たち  
Twitter

『Felix Yz』(2017年出版)と『Zenobia July』(2019年出版)の著者でもあるリサ・バンカー。LGBTQ Victory Fundによると、バンカーは小説家や政治家としてのキャリアを積む以前に、非営利放送局で30年間働いていたそう。

そのため、主要メディアではあまり取り上げられていない人々のストーリーを伝えることに強い関心を持っていたという。バンカー氏は引き続き、エクセターを含むニューハンプシャー州ロッキンガム郡の第18選挙区を代表する。

他にも何名かのLGBTQ候補者が州内で活動を開始する。その中には現地時間11月3日にオクラホマ州の第88選挙区で州議会選挙に勝利し、米国史上初のノンバイナリー議員になったモーリー・ターナーも含まれている。

From: Harper's BAZAAR JP

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