毎年のようにアカデミー賞にノミネートされるのが、歴史上の偉人を熱演した俳優たち。2019年2月24日(現地時間)に開催される第91回アカデミー賞にも、『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役のラミ・マレックら、名優たちが候補に! そこで、これまで実在の人物を演じてアカデミー賞にノミネートされたり、見事に受賞を果たしたセレブを大特集!
ラミ・マレック
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伝説のバンド、クイーンのフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生を描いて世界中で大ヒットしている『ボヘミアン・ラプソディ』。クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を務め、ラミ・マレック演じるフレディの歌声で不朽の名曲がスクリーンで甦り、ライブ・エイドのシーンは鳥肌もの!
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主演のラミ・マレックは第76回ゴールデン・グローブ賞の映画の部で、ドラマ部門の主演男優賞を受賞! 第91回アカデミー賞の主演男優賞にもノミネートされているので、オスカー獲得なるか注目。
クリスチャン・ベイル
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父ジョージ・H・W・ブッシュ政権下で国防長官、息子ジョージ・W・ブッシュ政権下で2001年~2009年に副大統領を務めたディック・チェイニーをクリスチャン・ベイルが熱演! 映画『ザ・ファイター』で第83回アカデミー賞助演男優賞に輝いたクリスチャンは、体重を約20キロ激増し、髪を剃り、眉毛を脱色して20代から70代までのチェイニー元副大統領になりきった。
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第76回ゴールデン・グローブ賞の映画の部で、ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞を獲得し、第91回アカデミー賞の主演男優賞にもノミネート。タイトルの『バイス』はバイス・プレジデント(副大統領)を指すだけでなく、“悪徳”や“邪悪”という意味も込められている。
サム・ロックウェル
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映画『バイス』でジョージ・W・ブッシュ大統領を演じたのが、サム・ロックウェル。第90回アカデミー賞で作品賞を獲得した映画『スリービルボード』で見事、サムは助演男優賞を獲得しているため、2年連続の受賞となるか期待が高まる!
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ウィレム・デフォー
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精神に病を抱え、近しい芸術家たちとも真っ当な人間関係を築けず、常に孤独の中に生きたフィンセント・ファン・ゴッホを描いた『永遠の門 ゴッホの見た未来』。本作で不器用なまでに芸術と向き合った孤高の画家を演じたウィレム・デフォーが、アカデミー賞の主演男優賞に初ノミネート!
ウィレムはこれまでアカデミー賞では1987年に『プラトーン』、2001年に『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』、そして2018年に『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で、助演男優賞の候補に3度なっている。
マイケル・ファスベンダー
2015年の映画『スティーブ・ジョブズ』でアップル社の共同設立者のひとり、スティーブ・ジョブズを演じたマイケル・ファスベンダーは主演男優賞にノミネートされるが、惜しくも受賞は逃した。ジョブス本人が伝記作家のウォルター・アイザックソンに頼み、書かれた同名の伝記小説が原作。
それだけにジョブスの内面にもクローズアップしつつ、1984年に発表された「マッキントッシュ」、1988年の 「NeXT Cube」、1998年の「iMac」が誕生した背景を詳細に描き出している。
エディ・レッドメイン
2014年の映画『博士と彼女のセオリー』で理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士を演じたエディ・レッドメイン。難病ALSで次第に体が動かなくなる中、研究に打ち込みビッグバンやブラックホールに関する理論を発表していく姿だけでなく、妻ジェーンとの関係や離婚など博士の知られざる私生活も描いている。
エディーはホーキング博士本人から「リアリティを追求するために、実際のALS患者と共に過ごして役作りをしていた。ときどき彼の姿が自分に見えた」と絶賛され、主演男優賞を受賞した。
レオナルド・ディカプリオ
2013年のマーティン・スコセッシ監督作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で、主人公の株式仲買人ジョーダン・ベルフォードを演じたレオナルド・ディカプリオ。
投資詐欺とマネーロンダリングで成功を収め「ウルフ」と呼ばれるまでになったジョーダンは、ドラッグとセックスに溺れ、やがてFBIの捜査対象に。破天荒な犯罪者を魅力的に演じたレオは主演男優賞にノミネートされるも、残念ながら受賞は叶わなかった。
ダニエル・デイ=ルイス
アカデミー賞主演男優賞を史上初、3回も受賞しているダニエル・デイ・ルイス。3度目の受賞を果たしたのが、2012年の映画『リンカーン』。
本作で南北戦争の指揮をとり、奴隷たちの解放のためアメリカ合衆国憲法を制定しようと戦う第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの熱演している。リンカーンの外見に近づけるために髪とひげを伸ばしたというダニエル・デイ・ルイスは、南部訛りも完璧にマスターして撮影に挑んだそう。
メリル・ストリープ
2011年の映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で、イギリス史上初の女性首相マーガレット・サッチャーを演じたメリル・ストリープ。夫や子供たちとの時間を犠牲にしながら男社会の国会で戦い続けたサッチャーを熱演し、メリルは2度目の主演女優賞を受賞した。
イギリスの経済を立て直すために国営企業を民営化したサッチャーの政策、それに対する反対活動など、史実と共に彼女の人生を再現した本作は、世界史も学べる1本。
ミシェル・ウィリアムズ
2011年の映画『マリリン 7日間の恋』で、銀幕の女優マリリン・モンローを演じたミシェル・ウィリアムズ。ローレンス・オリヴィエと共演した1957年の映画『王子と踊り子』を撮影中の7日間を助監督で、彼女に憧れていたコリンの視点で描いた本作。
売れっ子女優だったが、実は緊張やプレッシャーに苦しんでいたマリリン。スクリーンでのセクシーなイメージとは裏腹に自信が持てず、不安に苛まれていた素顔を演じきったミシェルは、主演女優賞にノミネートされた。マリリンに恋をするコリンを演じたエディ・レッドメインの初々しい演技にも注目。
コリン・ファース
2010年の映画『英国王のスピーチ』で吃音に悩み、うまくスピーチできなかったイギリスのジョージ6世(エリザベス女王の父)を演じたコリン・ファースは、主演男優賞を受賞した。
第二次世界大戦下、長年コンプレックスに苛まれていたジョージ6世と型破りな言語療法士の友情にスポットを当てている。頑ななジョージ6世が徐々に心を開いていく姿や、最後に見事なスピーチを披露するシーンが感動的。
ジェシー・アイゼンバーグ
「フェイスブック」の誕生ストーリーを描いた2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』。創設者のマーク・ザッカーバーグを演じたのはジェシー・アイゼンバーグ。
ハーバード大学生だったマークが、恋人にフラれた腹いせに女子大生のルックスを格付するサイト「フェイスマッシュ」を開発したのをきっかけに作られた「フェイスブック」。サイトの規模が巨大化するにつれ、事業を一緒に立ち上げた親友との関係に亀裂が入り、裁判沙汰に発展していく過程を描いている。マークにビジネスを持ちかける「ナップスター」のショーン・パーカーをジャスティン・ティンバーレイクが演じたのも話題に。
ショーン・ペン
2008年の映画『ミルク』は、同性愛者の権利が認められていなかった1970年代にゲイであることを公表した活動家、ハーヴェイ・ミルクの生涯を描いた作品。同性愛者の公民権獲得や地位向上のためだけでなく、黒人や労働者などさまざまな社会的弱者を救うために戦ったミルクをショーン・ペンが演じ、主演男優賞を獲得した。
1978年に暗殺されたミルクは、生前から生命の危機を感じていたため、音声で遺書を残していた。その中の一節で、映画の中にも登場する「もし一発の銃弾が私の脳に達することがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊する(すべての同性愛者がカミングアウトする)だろう」は、LGBTQの権利活動史の名言。
ケイト・ブランシェット
1998年公開の『エリザベス』の続編で、イングランド女王として即位した後のエリザベスの人生を描いた2007年の映画『エリザベス:ゴールデン・エイジ』。
イングランド国内ではプロテスタントとカトリックが対立、スペインなどカトリック諸国はイングランドを制圧しようと狙い、イングランド王家の血を引くスコットランド女王メアリー・スチュワートがエリザベスの王座を狙う。そんな不穏な状況の中で、恋を捨て君主に徹するエリザベス1世を演じたのは、ケイト・ブランシェット。『エリザベス』と合わせて見ると、16世紀のヨーロッパ史は完璧!
マリオン・コティヤール
2007年の『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』で、シャンソン歌手エディット・ピアフを演じて主演女優賞を獲得したマリオン・コティヤール。
貧しい家庭に生まれ娼館で育ったエディットは、ナイトクラブのオーナーに見出され、デビューするや人気歌手として一世を風靡する。マリオンは、20歳頃から47歳で亡くなるまでの波乱に満ちた人生をスクリーンに甦らせた。
ヘレン・ミレン
ダイアナ元妃がパリで自動車事故死したときのイギリス王室と政府の舞台裏を描いた2006年の映画『クイーン』で、エリザベス2世を演じたヘレン・ミレン。
「ダイアナ元妃はもう王室の人間ではない」と何もコメントせず国民の反感を買ったエリザベス女王と、死を悼む発言をして国民の支持を得た当時のブレア首相。2人の対立関係や、チャールズ皇太子とエリザベス女王の確執が見どころ。主演女優賞を獲得したヘレンを本物のエリザベス2世も、祝福したと言われている。
フィリップ・シーモア・ホフマン
作家トルーマン・カポーティが、小説『冷血』を書き上げるまでを描いた2005年の映画『カポーティ』。『冷血』はカポーティの代表作で、実際に起きた一家惨殺事件を題材にしている。
取材を進める中で死刑囚の間に交流が生まれ、少しずつ精神的なダメージを受けていくカポーティを演じたのはフィリップ・シーモア・ホフマン。主演男優賞を獲得した本作では容姿はもちろん、独特の高い声や繊細な話し方まで見事に再現した。
リース・ウィザースプーン
1950年代のカントリー歌手、ジョニー・キャッシュの生涯を描いた2005年の映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』。貧しい家庭に育ったジョニーが、愛していた兄の死、軍隊経験や初恋の人との結婚、離婚を経てデビュー、伝説的なカントリー歌手として成長していく姿を描いている。
リース・ウィザースプーンが演じたのは、ジョニー憧れのカントリー歌手で、2人目の妻となったジューン・カーター。ジョニーを演じたホアキン・フェニックスも、リースも吹き替えなしでカントリーソングを熱唱し、リースは主演女優賞を獲得した。
ジェイミー・フォックス
2004年の映画『Ray/レイ』でミュージシャンのレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスは、主演男優賞を受賞した。貧しい家庭に生まれ7歳のときに視力を失ってしまったレイ。盲目となった彼が音楽の才能を見出され、天才ピアニストとしてスターダムを駆け上がっていく姿を描いている。
成功の裏で、幼い頃に弟を亡くしたトラウマと罪の意識に苦しみ、麻薬に溺れていくというダークな一面にもフォーカスしている。
ニコール・キッドマン
2002年の映画『めぐりあう時間たち』は、作家ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』をモチーフに3つの時代の3人の女性―1923年に『ダロウェイ夫人』を執筆していたヴァージニア、1951年にこの作品を愛読する主婦ローラ、2001年にローラの息子の死に立ち会う編集者クラリッサの人生を描いた作品。
ヴァージニアを演じたニコール・キッドマンは、特殊メイクで鼻を大きくして外見も似せ、主演女優賞を獲得した。ローラ役にジュリアン・ムーア、クラリッサ役にメリル・ストリープと他のキャストも名女優揃い!
サルマ・ハエック
メキシコの画家フリーダ・カーロの人生を描いた2002年の『フリーダ』。ヒロインのフリーダを演じたのはハルマ・サエック。
18歳のときに交通事故に巻き込まれ、大怪我を負って寝たきりになってしまったフリーダは、後遺症に苦しみながらも絵を描き始める。壁画の巨匠ディエゴ・リベラとの恋と結婚、彼の裏切り、離婚や再婚などフリーダの波乱万丈な私生活にも焦点を当てた作品。主演女優賞は逃したものの、ルックスもそっくりに再現しフリーダを情熱的に演じたサルマの演技は必見!
ウィル・スミス
伝説のプロボクサー、モハメド・アリの半生を描いた2001年の映画『ALI アリ』。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と言われた美しいスタイルでヘビー級チャンピオンになったアリを熱演したのは、ウィル・スミス。
ベトナム戦争での徴兵されるのを拒否したことでタイトルを剥奪されてしまった彼が、名誉を取り戻すために再びリングに上がるまでを描いている。ウィルは体重を20キロ以上増やし、実際のボクサーと同じトレーニングをして、主演男優賞にノミネートされた。
ジュディ・デンチ
イギリスの作家アイリス・マードックの半生を描いた2001年の映画『アイリス』。原作は、アイリスの夫で大学教授だったジョン・ベイリーが書いた回想録。
奔放で自由なアイリスと彼女に一目惚れしたジョン。2人が結婚してから、アルツハイマー病に冒されたアイリスをジョンが献身的に介護し支えるまでの40年間以上の愛の軌跡を綴っている。主演女優賞は逃したが、ジュディは英国アカデミー賞を獲得。アイリスの若かりし日をケイト・ウィンスレットが演じているのも見どころ。
ジュリア・ロバーツ
2000年の映画『エリン・ブロコビッチ』で無職のシングルマザー、エリン・ブロコビッチ役を務めたジュリア・ロバーツ。
ひょんなことから弁護士事務所で強引に働き始めたエリンは偶然、大企業による環境汚染の実態を知ってしまう。正義感に溢れたエリンが調査に乗り出し、史上最大級の集団訴訟に挑む。史上最高額の和解金を獲得したエリンをパワフルに演じたジュリアは、本作で主演女優賞を獲得した。
Photo:AP/AFLO, Getty Images, Splash/AFLO