エンタメ業界の華やかなイメージとは裏腹に、こころの病気に苦しんだことを赤裸々に告白しているセレブは多い。なかには、ウィリアム王子やハリー王子のように、メンタルヘルスについて熱心に啓蒙活動に取り組む人も。そこで、これまでうつ病、不安神経症や精神疾患などこころの病気を明かしたセレブを紹介。
マイリー・サイラス
「うつ病は、皆が思っているより大変な問題よ。悲しんでもいいことなのに、病気についてどう話していいか分からない。私はひどいうつ状態で部屋に閉じこもってしまって、父がドアを破らなければいけないほどだった。たくさんの問題があったけど、とても肌が荒れてそのことで批判されているように感じた。でも、誰かのせいでそういう気分になったというより、勝手に落ち込んでいただけなのよ。人に話すことで楽になれると思う。私は薬嫌いな人間だけど、人によっては薬が必要なこともあるし、私だって必要な時期があった。皆にはうつ病のせいで私が失礼な態度を取っていると思われたけど、そうじゃない。どうすることもできなかった。うつ病を防ぐためにできることはあまりないけど、宇宙が私にこの試練を与えたと思っている。やりたくないことを無理してやったり、幸せなふりをする必要はないと皆に知ってもらうためにね。幸せなふりをすることほどつらいことはない」
カーラ・デルヴィーニュ
カーラ・デルヴィーニュは2015年のインタビューでこう告白した。
「これまでオープンにしてこなかったけど、私の一部を占めている大きなことなの。突然、大きな絶望感と不安、そして自己嫌悪に襲われ、とても苦しくなって自分を打ちのめそうと頭を木にぶつけた。自分を刃物で傷つけることはなかったけど、血が出るまでかきむしったこともある。消えてなくなりなりたいと感じて、誰かに連れ去ってほしいと考えた。演技をするなら学校に行かなきゃと思ったけど、朝起きることもできなかった。私は自分のことをラッキーガールだと分かっていたから、なおさら死んだほうがましだと考えたわ。こういう気持ちが罪悪感になって、さらに悪循環だった。なんでこう考えてしまうの? そして、さらに自分を傷つけてしまう」
クリッシー・テイゲン
クリッシー・テイゲンは産後うつと診断されたことをオープンにしている。
「すべてが素晴らしいのに、なぜこんな気持ちになるの? それを受け入れるのは大変だったし、たいしたことじゃないかのように話すこともできなかった。ベッドから出て、時間どおりに支度をすることがとても苦痛だった。腰は痛むし、肩や手首までも痛んだ。食欲もなかった。食べることが大好きだったのに、ほんの少しの食事で二日間を過ごすこともあったわ。大変だったのは、周りに対してとても短気になったこと。こんなことが自分の身に起こるなんて思いもしなかった。私は素晴らしい人生を送っていたのに。夫のジョン、母、そしてベビーシッターに必要なことはすべてヘルプしてもらった。それでも産後うつは避けられなかった、コントロールできなかったの。自分がわがままで嫌な人間で、おかしなことを言っているように思えて、打ち明けるまでに時間がかかった。こうして打ち明けたのは、これは誰にでも起こりうることだから恥かしいと感じたり、孤独になる必要はないと知ってほしいから。産後うつを完全に理解しているつもりはない、それぞれの人にとって症状は違うから。でも、ただひとつ確かなことは、誰かに打ち明けることで楽になれるということよ」
ケリー・ワシントン
ケリー・ワシントンもタブー視されている問題を語ったひとり。
「私は食べることでストレスを発散したわ。ときには気を失うまで、なんでも全部食べた。でも完璧主義の傾向がある私は、自分は図書館にいたとウソをついて、本当はジムやエクササイズに何時間も通っていたの。こういった行動を隠すのは苦痛で孤独で、罪悪感と羞恥心ばかりだった。セラピーに通い初めて、今でも続けているわ。栄養士にも会ったし、瞑想もするようになった。自分の心と体を愛することは、人生をかけて学ぶことだと思う。昔ほど葛藤することはなくなった。セラピーを受けることで、自分の感情と向き合っても大丈夫だと気づいたの。食べ物で不安を押し込むのではなくて、自分自身を表現しても良いということ」
さらにワシントンは2015年にこのように語っている。
「こうしたことを公の場で言うのは、精神疾患の汚名をはらすために重要なことだと思う。私の脳や心はとても大切なもの。なぜ歯をケアするように、これらを大事にしてこなかったのか。歯医者には行くのに、なぜ精神科には行かないの?」
ダイアナ妃
ダイアナ妃は1995年のインタビューのなかで、産後うつについてこのように語っている。「私は、これまで誰もが話題にしなかった産後のうつ病で苦しんだ。大変な時期だった。朝起きてもベッドから出たくなくて、周りから誤解されているように思い、自分をダメな人間だと感じた。誰も私の話を聞いてくれなかったし、自分でもそう思いこんで、色んな問題が起こり始めた。例えば、自分のなかで大きな苦しみがあって誰かに助けを求めても、それが間違った方法だったりする。普段からメディアに囲まれていたせいで、周りからはオオカミ少年のようにアテンションが欲しいだけだと思われた。自分のことが嫌いになって、こうしたプレッシャーに上手く対応できないことを恥かしいことだと感じるようになったの」
ハリー王子
「これまで人生のほとんどを、“僕は元気だよ”と言って過ごしてきた」とハリー王子はインタビューのなかで話している。
「12歳のときに母を亡くし、これまでの20年間すべての感情にふたをしてきたことは、プライベートだけでなく仕事にも深刻な影響を及ぼしてきた。これまで完全にダメになりそうなことが数えきれないほどあった」
ハリー王子は、ウィリアム王子やケイト・ミドルトンとともに、英国メンタルヘルス団体のアンバサダーを務めている。
「兄にはとても救われた。“これは良くない、ちゃんと話さなくては、何か原因があるはずだ”と言い続けてくれた。すると突然、これまで消化でなかった悲しみが現れてきたんだ」
クリステン・ベル
「私が18歳のときに母が言ったの。“周りのことを曲げて解釈するようになったら、自分の周りに太陽の光がないと感じたら、恐怖に鈍感になったら、それは病気ということで、自分を救う方法はあるのよ。”これまで病気についてオープンにしてきたし、特に母には正直に話してきて、とても感謝している。自分で向き合わなければ。私は明るくて快活な性格だと思われているけど、これまで色んな治療をやってきた。自分を内観して、必要なときはエクササイズをしたし、以前に不安神経症とうつ病になったときは薬を出してもらって今でもそれを飲んでいる。私の母が、こういう状態になったときは医者と話して、自分自身を救う方法を教えてくれたから病気を恥かしいことだと思わない。自分のために薬を飲むと決めたなら、例え世間で恥だと思われていても、糖尿病患者がインスリン治療をするようなものだと理解すべき。どういうわけか、セロトニン薬を飲んでいると、頭がおかしな人だと思われてしまうのよ。私は普段あまりしゃべる才能はないけれど、そのことについて恥かしいと思ったことはないの」