アジア系に対するヘイト犯罪撲滅「Stop Asian Hate」を表明したセレブたち

アトランタでの銃撃事件を受け、3月31日にTwitterで声明を発表した。

「愛する人を亡くした方々に心からお悔やみを伝えます。私たちは悲しみと怒りを感じています。
アジア人として差別に直面した瞬間を思い出しています。私たちは理由のない罵りに耐え、見た目を嘲笑われてきました。アジア人がなぜ英語を話すのかと聞かれたことさえあります。
そういう理由から私たちは憎悪や暴力の対象になることの苦痛を言葉にすることができません。私たちの経験はこの数週間に起きた出来事に比べれば取るに足らないものです。でも私たちが無力感を抱き、自尊心を少しずつ奪われるのにはこのような体験だけで十分でした。
今起きていることをアジア人としての私たちのアイデンティティから切り離すことはできません。これを注意深く議論するのには長い時間がかかり、自分たちのメッセージをどう伝えるか私たちは深く考えました。
しかし私たちが伝えなくてはいけないことははっきりしています。
私たちは人種差別に反対します。
私たちは暴力を非難します。
あなた、私、そして私たちはみんな尊重される権利を持っているのです。私たちは一緒に立ち向かいます」

2月に開催されたゴールデン・グローブ賞授賞式で『ノマドランド』で監督賞と作品賞を授賞したクロエ・ジャオ監督。同賞を授賞した初のアジア系女性監督となった。式の後、レポーターにアジア系への憎悪犯罪について聞かれると「お互いの目をしっかり見つめ、自分以外の人たちのこともきちんと見れば彼らが人間であることは否定できない。私たちはみんな自分自身に対してもう少し思いやりを持つことを学ぶ必要があるのかもしれない。私は時々、人がとても深い憎悪を抱いているように感じることがある。それは自分自身を憎むだけ。世界を他の人の視点から理解し、見る必要がある。それが私たちが人類として生き延びるための唯一な方法だ」

シンガーのファレル・ウィリアムスもアトランタでの事件後インスタグラムにメッセージを投稿。「昨晩起きたことは国内のテロリズムによって何の罪もない人たちの命が奪われた例だ。私たちはアジア系の仲間を守らなくてはならない。今こそアジア系への憎悪犯罪をなくすときだ」。

ドラマ「エミリー、パリへ行く」のアシュリー・パークはアトランタでの事件後、すぐにインスタグラムのライブでメッセージを発信した。「人種差別はとても小さなことから、あなたが口にしたことから始まる。誰かがこのウイルスを『カンフルー』と読んだことから、アジア系のウエイターや中華料理のデリバリーの人、ネイルアーティストをからかうところから始まる。私もこれに関しては同罪」。

3月31日に開催されたSAG賞に「STOP ASIAN HATE」と刺繍されたクラッチバッグを持って登場したジェイミー・チャン。インスタグラムにはメッセージも投稿した。「私たちのコミュニティに対するこのような殺人、数えきれないほどの暴力行為、店の破壊、白人によるテロリズムは反アジア的な発言を煽り、私たちを新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックのスケープゴートとして使う政治家やリーダーたちを生み出している。歴史的にアジアからの移民はこれまでも色々な不幸のスケープゴートにされてきた。それを終わらせなくてはならない。この状況をありのままに口に出して表現することから始まる。マスコミはもっといい行いをする必要がある。ありのままにこう報道するべき。これは国内におけるテロリズムであり、アジア系に対する憎悪犯罪だ」

カーディはインスタグラムのライブで人種差別の撲滅を訴えた。「みんなに知って欲しいことがある。外国人嫌悪はやめよう。ひどいジョークを言うのはやめよう。意味のない怒りを抱くのをやめよう。私がこう言っているのはアジア系の人たちが殴られるのをたくさん見てきたから」

映画『キスからはじまる物語』のジョーイ・キングはTwitterにメッセージを投稿、意見を表明した。「ウイルスが人種差別を正当化する理由にはならない。チャイナウイルスと言ってはいけない。それは世界中の中国人に対する言葉の暴力になるから。このウイルスには新型コロナウイルスという医学的な正式名称がある。だからそう呼ばなくてはならない」

ミーガンはアトランタでの事件の後ブランド「ファッションノバ」とタッグを組み、アジア系コミュニティの人権問題に取り組む組織への支援活動を始めた。「3月16日、何の意味もない暴力で命を奪われた8人を思うと心が痛みます。私たちはアジア系アメリカ人たちと団結し、これ以上の差別は十分だと抗議します」

女優のミンディ・カリングはアトランタでの事件後、Twitterにメッセージを投稿した。「アジア系の仲間が標的になっていることに吐き気を感じる。その一方でアジア系に対するヘイトスピーチはこの数年、あらゆるところで聞かれるものになっていてもう驚かない。私たちはもうアジア系に対する差別をやめなくてはならない。もう十分だ」

『好きだった君へのラブレター』3部作のラナ・コンドルはツイッターにメッセージを投稿。「みんな気がついて。あなたの周りのアジア系の友達や家族は深く恐れ、恐怖に襲われている。気分が悪くなり怒りを覚えている。私たちが大丈夫かどうか、気遣って。私たちと一緒に立ち上がって。あなたの周りのアジア系の友達たちはたとえSNSで大々的に嘆いていなかったとしても、あなたを必要としている」

日本出身のシンガーソングライターのリナ・サワヤマもTwitterで抗議メッセージを発表。「どんなコミュニティであってもコミュニティに対する犯罪は私たち全員に対する犯罪。殺されたアジア女性のために祈ります」

オリヴィア・マンは2月にもインスタグラムで「Stop Asian Hate」を訴えていた。「マイノリティとして生きているだけで、この国では一部の人からそれが抗議だと受け止められる。差別に対する怒りを広めるために力を貸して欲しい」。今回の事件でも改めて「アジア系の人々に対する攻撃や殺人はまだ起きている。私たちを助けてほしい。私たちは自分の国で安全に暮らすためにあなたの助けを必要としている」。

ドラマ「エージェント・オブ・シールド」のクロエ・ベネットも怒りの声をあげている。「あまりにも動揺していて何も言えない。もちろん今起きていることのせい。この1年どれほど人種差別的な発言が発せられても問題にされず、歓迎されてきたことを考えれば今の事態は予測できた」。