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ダイアナ元妃とメーガン妃の人生を比較すると見える3つの大きな違い

同じ王室に嫁いだ2人の女性たちは、大きく異なる運命を辿っている

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ダイアナ元妃とメーガン妃の人生を比較すると見える3つの大きな違い
Getty Images

ダイアナ元妃にとってもメーガン妃にとっても、英王室の一員としての生活はおとぎ話のようなものではなかった。比較されがちなこの2人の女性の人生には疑いようもない類似点があるものの、それぞれの物語を同じものとして扱うことはできない。そこで、特に注目すべき3つの違いについて、考えてみたい。

Photos: Getty Images From TOWN&COUNTRY

『ザ・クラウン』で描かれる“共通の問題”

エマ・コリン ダイアナ元妃 ロイヤルファミリー
DES WILLIE

配信が開始されるやいなや大きな反響を呼んでいるNetflixのドラマ『ザ・クラウン』シーズン4。本作では、チャールズ皇太子との結婚生活に深刻な不満を抱えていることを明らかにしたダイアナ妃について、エリザベス女王、マーガレット王女(女王の妹)、アン王女(女王の長女)、そしてクイーン・マザー(女王の母)が、「何とかしなければ」と話し合う場面が描かれる。女王は初め、次のような考えを示す。

「おそらくダイアナ妃のような人は・・・現代の世界とのかかわりを持つための立場に置くことが最適なのでは?」「時代とともに変化していくことが、王室が生き残り、人々との関連性を保つための方法なのでは?」

だが、クイーン・マザーはダイアナ妃に対しそれほど同情的ではなかった。

屈することは適応すること

メーガン妃 ダイアナ元妃 ロイヤルファミリー
Princess Diana Archive//Getty Images

そしてクイーン・マザーは女王の問いかけに、次のように応じる。

「ダイアナは未熟な子ども。そのうち成長して、苦しむことも闘うこともあきらめて屈するわ。フィリップ(女王の夫)もそうしたし、他の誰でもそうするように。屈すれば、適応するのよ」

女王は母の言葉に対し、「屈しなかったら?その場合はどうなるの?」と尋ねる。

するとマーガレット王女が一言、まるで予知していたかのように、こう答える――「壊れるわね」。

これはまさに、その数十年後に交わされたやり取りとしてみることもできる会話。そう、ダイアナ元妃ではなく、その義理の娘であるメーガン・マークルについての話題として。

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王室に屈しなかったもうひとりの妃

メーガン妃 ロイヤルファミリー
Getty Images

ヘンリー王子が2017年にメーガン妃との婚約を発表した時、メディアが示したのは、『ザ・クラウン』で女王が見せたのと似たような態度。

「バイレイシャルでフェミニスト、離婚歴のあるアメリカ人がやってくれば、それだけで英国王室の古い体質を近代化するのに役立ってくれるのではないか」といった見方を示していた。

だが、夫妻の物語を見守ってきた人たちなら誰でも知っているとおり。王室の一員としての生活は、メーガン妃にとっても、おとぎ話のようなものではなかった。

ふたりの運命を分ける3つの要素

メーガン妃 ヘンリー王子 ロイヤルファミリー
WPA POOL//Getty Images

ロイヤルファミリーが浴びる、目がくらむようなスポットライトのなかに足を踏み入れること、(そしてそこから抜け出すという選択をすること)は、誰にとっても簡単なことではないはず。当然のことながら、メーガン妃とダイアナ元妃には、疑いようのない類似点がある。だが、それでもこの2人の女性の物語を同じものとして扱うべきではない――それぞれが置かれていた、次に挙げる3つの微妙な立場の違いを理解することが重要となる。

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1. 年齢の違い

チャールズ皇太子 ダイアナ元妃 ロイヤルファミリー
ANWAR HUSSEIN//Getty Images

チャールズ皇太子のプロポーズを受け入れた時、ダイアナ元妃はまだ10代。そして皇太子は彼女にとって、12歳年上の、知り合って間もない男性だった。大学に進学せずパートタイムの保育士として働いていた彼女は、ほぼ無名の状態から突然、未来の英国王の妻として、世界で最も有名な女性のひとりになったのだ。

一方のメーガン妃は、ヘンリー王子と出会った時、すでに自らの力でキャリアを築いていた。30代半ばで、他の男性との交際歴も、離婚歴もあった。必ずしも誰もが知る有名人ではなかったものの、世間の注目を浴びることや、マスコミへの対応にも慣れていた。

メーガン妃がその経歴によって、ロイヤルメンバーになる準備ができていたとはいえない。ただ婚約した時点ですでに、メーガン妃の目はダイアナ元妃とは違ったかたちで、世界に向かって開かれていたといえる。

2. メディアからの扱いの違い

ダイアナ元妃 ロイヤルファミリー
VINCENT ALMAVY//Getty Images

メーガン妃に対するメディアの態度について、ヘンリー王子はごく早い時期にそれを母の身に起きたことと結び付けて考えるようになっており、次のような声明も発表している。

「私の最大の恐怖は、歴史が繰り返されることです。私は愛する人が、実在する人間として扱われていない、見られていないと思えるほどにまで商品化されたこと、その後に何が起きたかを見てきました」「私は母を失い、そして今、妻が同じ強大な力の犠牲になるのを目の当たりにしています」

ダイアナ元妃が容赦のないメディアの詮索に耐え、メーガン妃が同じような対応を迫られていることは、誰にも否定できない。ダイアナ元妃は、その姿を写真に収めようとするメディアの飽くなき欲求にさらされた最初のセレブのひとり。『デイリー・ミラー』紙の元写真部長イアン・ダウンは、『タイム』誌に対し、「編集者たちとしては、彼女の写真はいくら撮ってもまだ足りなかった」と話している。

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メーガン妃 ヘンリー王子 ロイヤルファミリー
DOMINIC LIPINSKI - PA IMAGES//Getty Images

そのイギリスに変化をもたらしたのは、ダイアナ元妃の死だった。ロイヤルたちのプライバシー保護についての考え方や、何をカメラマンによる「ハラスメント」と考えるかについても、変化が起きたといえる。

そのため、メーガン妃は王室の一員として過ごした間、道を歩いているところをパパラッチに撮影されるようなことはなかったはず。ただ一方でメーガン妃は、ニュースの人種差別的な見出しや、ひどく悪意のあるネット上での嫌がらせに直面。ダイアナ元妃が経験したこととは根本的に異なる問題に向き合わなければならなかった。つまり、この2人の女性を同一視することは、この重大な違いを打ち消すことになる。

3. 王室からの離れ方の違い

ヘンリー王子 メーガン妃 ロイヤルファミリー
Gareth Cattermole//Getty Images

おそらく、ダイアナ元妃とメーガン妃の経験における最大の違いは、どんな形で王室から離れたかというところに現れている。

メーガン妃とヘンリー王子は2020年1月、王室の公務から引退する意向であることを発表。そしてイギリスを離れ、現在はLAに住居を構えている。メーガン妃が完全にスポットライトから消えることなく“ヘンリー王子とともに”王室の公務から退いたのに対し、ダイアナ元妃は、チャールズ皇太子との離婚によってロイヤルの立場から離れている。

それぞれのロイヤルとしての暮らしの結末は、このとおり大きく異なっている。このことが、ダイアナ元妃とメーガン妃の最大の違いを生み出すものといえる。

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